高橋克彦『不惑剣-完四郎広目手控5』 [本]
高橋克彦『不惑剣』
警視庁抜刀隊に関わることになる完四郎。その周りで起こる事件は、次第に彼を九州へといざなう。そこで目にした男たちの生き方に…
ここに来て方向性が変わってきた。ちょっと不思議な捕り物帳だったシリーズが、この巻中盤から、明治の世に気持ちをくすぶらせ、しかし真摯に生きようとする武士たち、さらにはそれを目の当たりにして自分の生き方に迷いを生じる完四郎が描かれるように。
今まで散々常に完ぺきだった完四郎が迷いまくっている様は何とも言えない不安定な感じです。でもね、シリーズ通して簡単なミステリーを描いてきて、ここに来てこういう話に転換するのありか?読者求めているか?
まあここまで来たら西郷がどういう人物として描かれるのか、完四郎がどう幕を下ろすのかは興味ありますが。あー、克ピコ先生の作品って主人公が死んだって記憶ないけれど、完四郎は死なないとダメだと思うで。
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