氷室冴子『雑居時代Ⅱ』最低だけどむくわれないからセーフ [本]
氷室冴子『雑居時代Ⅱ』
雑居時代〈2〉―Saeko’s early collection〈volume.8〉 (saeko’s early collection volume. 8)
- 作者: 氷室 冴子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1997/01
- メディア: 単行本
愛しの譲義兄さんの結婚をきっかけに、ひょんなことから始まった女2、男1の同居生活。マンガ家の現実や勉の受験の乗り越えつつ、倉橋さんちの数子さんは、今日も略奪愛の算段中。
完璧美少女にして、実は愛する男の為にたゆまない努力を続ける人工才女、おなかの中はまっくろくろすけ。そんな倉橋数子をとりまく騒がしい面々と事件のスラップスティック。面白かったです。相変らず数子はつくづく嫌な奴なのですが、考えすぎな思惑はほとんどいつも失敗するし、何よりそのための努力を惜しまないゆえ、イヤミにはならないのがポイントです。
本当に陰湿なんですけどね。ちょっと馬鹿にされただけで、相手の期待を上回れるように努力した上で、さらに落とすってシナリオを組み立てる人だから。だけど何故か毎回相手のほうが一枚上手でろくな目に会わない。可愛そうな子。
それはさておきこの話、相変らずホモが普通に出てきて、ノン気なんて言葉も出てくるんだけど…こういうのって当時から結構普通だったのか。
ところで”アグネス”なんかと同じで、ラストにそれらしいエピソードがなく、普通に終わってしまうのですが、これなんでなんですかね?
記事が気にいった方は下の"nice!"を押していただけると嬉しいです。
コメント 0