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山田風太郎『江戸忍法帖』意外なキャラが伸びたな [本]

山田風太郎『江戸忍法帖』

江戸忍法帖―山田風太郎忍法帖〈8〉 (講談社文庫)

江戸忍法帖―山田風太郎忍法帖〈8〉 (講談社文庫)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/05
  • メディア: 文庫

 

前将軍の御落胤、葵悠太郎の存在が、大老格柳沢出羽守を狂気に奔らせる。刺客甲賀七忍。最初は鷹揚に構えていた悠太郎だったが、彼を慕う子供が七忍に惨殺され、復讐を誓う!

前半はイマイチでしたが、後半はかなりの盛り上がりで燃えました。ストーリーはやたら偶然がタイミングよく起こり、七忍側悠太郎側ともに思惑が破綻する展開が続き、ちょっとイラっとする。キャラクターもどいつもコイツも個々の思いが強すぎて、物語の進展を邪魔しているように見えます。

特に途中から登場する鮎姫は、モーレツに悠太郎に惚れ、それゆえ生きるか死ぬかのやり取りの中でそんなん知るか!って感じだったのですが、この鮎姫が後半は輝きまくり

お嬢様とは思えない覚悟と行動力、見返りを求めない捨て身の愛情に心揺さぶられる限り。

忍法が割と普通ですし、エロ少ないし、悠太郎に秘技がないのがちょっと物足りなかったですけどね。

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