氷室冴子『雑居時代Ⅰ』ブサイクにも花をどうぞ

氷室冴子『雑居時代Ⅰ』

雑居時代〈1〉―Saeko’s early collection〈volume.7〉 (saeko’s early collection volume. 7)

• 作者: 氷室 冴子
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 1997/01
• メディア: 単行本

 

頭脳明晰、眉目秀麗”倉橋さんちの数子さん”は、実は愛しい男のため、血のにじむ努力を重ねた人工才女。が、恋する男の結婚をきっかけに、成り行きで女二人男一人の同居生活を始めることとなる…

氷室キャラらしいクセがあるキャラクターたちの丁々発止のやり取り。面白かったです。

ちょっと変わっているのは年頃の男女が同居していても、その間に全く恋愛感情が芽生えそうにもないところ。男一人の勉が、”食べ物にもブランド志向の浪人生”という、こりゃ読者も恋愛感情もたねーよという設定だからなのですが、これは結構新鮮でした。あと凄く普通にホモキャラが出てくるのもちょっとビックリ。８２年の作品ですが、あり、なんですね。

主人公数子は超自意識の塊ながら、その自意識の為に骨身を削っている故、イヤミにはなりませんね。優雅な水鳥が水の下では必死に足動かしているってやつ。ただ登場人物が美形ばかりで、イマイチ君はかなりヒドイ扱いを受けているのがちょっと…

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