『リトル・ミス・サンシャイン』おんぼろバスをみんなで押して

『リトル・ミス・サンシャイン』

 

監督：ジョナサン・デイトン　出演：アビゲイル・プレスリン他　at シネプレックス幕張

私的満足度：★★★★☆（３．５）

ところどころガタがきているフーヴァー家。その娘オリーヴ（アビゲイル・プレスリン）がカリフォルニアで開催されるミスコンに出場が決定した。さまざま揉め事つめこんで、おんぼろバスで一家はカリフォルニアを目指す……

面白い、素敵な映画でした。なんといってもフーヴァー家の面々が強烈に魅力的。勝ち組にこだわり自身の理論の売り込みに躍起のパパ。リアルちょい悪じいさん。失恋ゲイおじさん。ニーチェに心酔し一言もしゃべらない兄ちゃん。そんな一家を何とかまとめようとするママ。そして顔はかわいいけどパーフェクト幼児体型オリーブ。こいつらが本当にダメで、ダメダメで愛しくなります。

テーマが「勝ち組負け組」というやたら現代日本的なのも珍しいですが、ストーリー自体は全く負け組のフーヴァー家が負け続けるだけ。でも、ちっとも嫌な感じがしません。劇中で様々繰り広げられる勝ち組、負け組の考え方。そして一家が目指す道。軽快な音楽と笑いに乗せながら、なかなかに考えさせられました。

全体通して爆笑というよりとにかく家族が愛しくなる映画。ただしクライマックス、オリーヴがミスコンで披露するダンスには爆笑させられました。ヒントは振り付けがちょいエロじいさんなところ。しかしアメリカって本当にこういう幼児のミスコンやるんですね。リアルジョンベネ。

クラッチの壊れたおんぼろバスを皆で押して駆け乗って。家族を乗せて走るそのバスの姿は、見終わった色々気持ちよく考えることが出来ます。本当に素敵な映画でした。

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