物集高音『冥都七事件』やりたいことはわかる

物集高音『冥都七事件』

大東京三十五区 冥都七事件

• 作者: 物集 高音
• 出版社/メーカー: 祥伝社
• 発売日: 2001/02
• メディア: 単行本

 

過去の不思議な７つの事件を探る小者の書生と謎を解くご隠居。短編７話収録。

 

体言止めの韻を踏んだようなリズムの文体が、たぶん見せたい個性なんだと思います。確かにそれは特徴的で印象には残ります。でも話そのものはかなりありがちな小物の、怪異な事件に普通の解答を示すミステリ。

しかしキャラクターの魅力がほとんどない。そして大オチが、明らかに最初から練られているのに、嫌に適当に見せられるというか、バーン、ダン！って感じでオチ見せたら後はもうどうだっていいやーって感じで終わってしまいます。登場人物をけむに巻いたのではなく、読者をけむに巻いていてなんか腹立たしい。

しかしこの終わり方で続編あるのか。どうするんだ？