澤村伊智『ぼぎわんが、来る』ホラー小説最高レベルの面白さ。 [本]
澤村伊智『ぼぎわんが、来る』
それはやってきて、山へ連れてゆく。幸せな一家の元に突如現れた怪異。かつて祖父の家で遭遇したそれ、”ぼぎわん”…
ホラー小説。ものすごく面白かった。今まで読んだホラー小説の中でダントツ、全読書の中でもトップクラス。古典的な怪異をテーマにしながら、その名前の由来や登場人物の描写に現代的な要素が上手く取り込まれていて、古臭さや敷居の高さを感じさせません。逆にそのイメージからはかけ離れるほどに破壊的な怪異が本当に怖い。目的以外に振るわれるそれが強烈。
章仕立てで視点が変わり、それにより先の人物のイメージが変わるのも面白いです。”イクメン”の使い方もイカしてるわー。なんか私もあるよ、その辺の業界に対するプリミティブな嫌悪感。
そしてラストは王道の激突。遅れてやってくるヒーローは格好いいし、期待しているものが見れた感じです。作者はこれが処女作ってことなのかな?期待します。でもこれ、映像にしたらすごく凡庸になりそう。
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by 本が好き!運営担当 (2017-04-05 19:28)