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山田風太郎『海鳴り忍法帖』結局何が書きたかったの… [本]

山田風太郎『海鳴り忍法帖』

海鳴り忍法帖―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)

海鳴り忍法帖―山田風太郎傑作忍法帖 (KODANSHA NOVELS SPECIAL)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 新書

 

足利将軍を蹂躙した松永弾正が狙うは自由都市、堺と美しき公方の御台。弾正擁する根来忍法僧に立ち向かうのは、天才兵器開発者・厨子丸

山プー得意の奇怪な忍術が、時代からズバ抜けた兵器群にやられまくるという異色作。ですがなんとも方向性が定まらない印象でした。前半はとにかくベビーフェイスがやられっぱなし。山プー作でベビーフェイスにこだわるのもおかしな話かも知れませんが、折角クセの有るキャラがいっぱい居るのにイマイチ煮え切らない行動が続き、とにかく良くも悪くも派手さに欠く展開でイライラします。

中盤からは悪女がやたら目立ち始め、主人公厨子丸は相変らずモンモンしているだけ。終盤でようやく秘密兵器が活躍しだすものの、戦闘自体はそのまま持久戦→降伏という、変に現実的なものになってしまいました。後半根来忍者活躍しないし。

散々かき乱した悪女もちょっと目を離した隙に死んじゃうし、厨子丸が憧れていた御台もどうなったか忘れちゃったくらいの扱いだったし。何か方向性がよく分からない作品でした。


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