梨木香歩『家守綺譚』ここより彼岸です [本]
梨木香歩『家守綺譚』
ボートに乗ったまま帰らなかった友人の家に住むことになった作家の男。その庭に現れる、少しの不思議と植物たちを描いた28の短編集です。
河童や鬼や龍、さまざまな不思議が出てきますが、主人公の男は全く騒いだりしません。物語全般非常に穏やかな空気を纏っています。不思議も雰囲気的に”蟲師”の蟲の人に優しいバージョンといったところ。積極的に問題を起すわけではなく、ただそこにあるものとして存在します。人と、非ざるものが普通に交わっている世界です。
1話あたり5P前後でとても読みやすい。その中で移り行く自然。芽吹いて育ち、花が咲き実をつけて落ちる植物が描かれ、季節を感じることが出来て心地よいです。
心に何か残すとか、大きな感動があるとかではありませんが読めば穏やかな気持ちになれる素敵な本だと思います。
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同じかたが書いた、沼地のある森をぬけて、を読んだことがあります。
ありえないふっしぎ~な、おはなしを
読みすすむうちに受け入れてしまう自分がおもしろかったです。
by おかあ (2007-05-18 15:44)
>おかあさんありがとうございます。
梨木さんは他は”西の魔女が死んだ”しか読んでませんが大好きな作家です。これから読んでみます。
by けんたろう (2007-05-19 00:57)