『ハチミツとクローバー』丁寧ゆえに [映画]
やっと観ました。劇場、私も含め独りで来ているおっさんが三人ほど。
←はぐ＠蒼井優の消しゴムはんこ。似てるか似てないかだと０点だろうけどさ……結構がんばったと思うよ。
←原版。短時間で作った割にはいい出来なんだよ（言い訳）。
監督：高田雅博 出演：蒼井優 櫻井翔 伊勢谷友介他 atシネプレックス幕張
私的満足度：★★★☆☆
「いい人」どまり感丸出しの竹本くん（櫻井翔）。カリスマスストーカー真山（加瀬亮）と、真山が大好き山田あゆみ（関めぐみ）。ガラが悪い天才森田さん（伊勢谷友介）。そして花本はぐみ（蒼井優）。５人の美大生たちの青春物語です。
面白かったです。ストーリーは原作のエッセンスを抽出しつつ、オリジナル。まさに青春群像劇に仕上がっていました。キャラクターたちは原作により現実的な解釈を加えて描かれていました。まずはキャラ論を。
花本はぐみ＠蒼井優
原作オタクの私としてはヘッドフォンをして抽象画を描くはぐのＣＭを見て、すごく違和感を覚えていましたが、映画の中では紛れもなくはぐでした。ふわふわしてます。魂がこの世界に固着してない。それゆれココとは別の世界をつないで、それを画にすることが出来る。そんな雰囲気がありました。笑顔と声もすごくいい。友人に蒼井優大好きっ子がいるのですが、確かにこりゃすごい。原作のイメージに天使的？な解釈を加えて演じているようでした。ものすごく難しい役で、人によってはおそろしく馬鹿っぽくなりそうなのに。彼女を配役した人天才ですね。
竹本祐太＠櫻井翔
萌えます。私は原作でも『竹本萌え』ですが、映画でもカワイイったらありゃしない。冒頭、美大生たちの竹本君の解釈「オシャレじゃない」「美大生っぽくない」「彼氏はありえ無い」「夫ならありかも」すごく納得。はぐを誘うときの蛇足っぷりも可愛かった。
山田あゆみ＠関めぐみ
一番原作のイメージに近いんじゃないでしょうか。実際話を転がしていたのは彼女ですね。原作にはあまりない、竹本くんとのカラミも面白かったです。ただ、もっと泣き顔見たかった。
真山巧＠加瀬亮
キモ～い！説明不要。真山のストーカー行為、視点を変えればここまでキモかったんですね。気が付きませんでした。他の４人に比べるとちょっと弱かったかも。真山にしてはオシャレじゃないし。
森田忍＠伊勢谷友介
最初は「なんだこのチンピラ！こんなのが森田さんなのかよ！」と思いましたがすぐ慣れます。はぐとは違うタイプの天才。俗っぽいものの中で苦しい呼吸をしている。『CASSHERN』のせいで伊勢谷さんってすごく苦手だったんですが、とても良かったです。はぐ同様、原作のキャラクターが良い方向に変えて現実におろされた感じです。
と、いう感じで役者に関してはほぼパーペキだと思います。原作からキャラが変わっているのに嫌な感じがしないってのは珍しい。おそらく作り手がよく原作を読み込んでいるんじゃないかな？その他ニャンざぶろうや藤原兄弟も設定を変えて登場。上手い使い方でした。
散々心配していた理花さんも、はかなげで良かったです。知らない方に説明しますと、私にとって理花さん役の西田尚美さんは非常に頑強でぼーっとしている役の印象が強くって。南海キャンディースのしずちゃんに近いくらい。
花本先生も原作に近く好感。唯一残念だったのは幸田先生。私は繰り返し書いているよう幸田先生のエピソードが大好き。原作では自分と重ねてはぐを責める幸田先生なのですが、映画では普通の教員視点。むぅ。
ストーリーも映像的にもよく出来ていましたが、逆に言えばよくも悪くも平坦。冒険をするようなことなく、平均点的でした。その分クライマックスはあまり盛り上がらないし、印象に残るシーンもありません。
悪いところはまるでないんだけど、どうにもパンチが弱い。贅沢言いますが、この役者がいればもっともっと面白く出来る気がするので、どうしても欲が出てしまいます。
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マンガにしろ小説にしろ人気作はバンバン映像化されてるけど、現場からするととても難しいところだろうね。スタートが0からじゃないやりづらさ。物足りなさはきっとそこから来てると思う。
これを観て『フラガール』の蒼井優を観たら、彼女がどんだけ驚異的かさらにわかると思うよ。絶対観てくれ。
by april_foop (2006-08-12 19:17)
＞april_foop
藤原デザインの面子とか、人気があるから出したくなるところをガッツリカットしてメインを描くのに集中してるところもすごくいいんだけどね。まぁアタイは尋常じゃなく思い入れがあるから。
by けんたろう (2006-08-12 23:48)