古畑任三郎ファイナル・フェアな殺人者 [TV]
イチローカッコいい!一日遅れで記事を書いているので、これ、4日放送の、イチローの回の話です。ネタバレ。ネタバレで書きますのでご留意願います。
シリーズおなじみ、向島さんは困っていました。ふとしたころからある男に強請られているからです。しかもそいつは、自分がメジャーリーグで活躍するイチローと、腹違いの兄弟と知ると、ますます調子に乗って、大金を要求してきました。
それを知ったイチロー、兄を悩ませる男を始末しようと決心しました・・・
見る前は、はっきり言ってイチローの演技、不安でした。元来役者でない方が、演技をされる機会というのは結構あります。しかしその多くが、胸に甘酸っぱいものを残してくれます。
ところが、イチロー、よかったです。どのシーンでも素人っぽさはなかったし、常にカッコいいし。演技が上手い、というと語弊があるのかもしれませんが、期待には100%応えてくれた出来だと思います。
ただし、その反面、話はちょっとぐたぐた。事件の発端となる向島さんが、ウザ過ぎます。強請りの根拠が弱く、他にいくらでも解決法がありそうだし、『お前に迷惑はかけられない』の発言を繰り返すので、見ていて『なんでこんなにカッコいいイチローが、こんな奴庇うんだ?』と思いました。
古畑さんの実力が分かっているなら、あんなグテグテの自白もしないで欲しいです。少しは自分が真犯人に見えるように細工して欲しかったです。言い方悪いですが、『自分は弟を庇おうとした』という自己満足のために自白したように見えました。
イチローも「こんなダメな奴だけど、たった一人の兄貴なんだ」的フォローしてほしかったです。イチローの目から見ても兄はダメだったっていう視点が無いんで、ブサイクに本気で惚れてるいい女を見るような感じでした。本人たちはいいんだろうけど、見ているほうはあまりいい気がしません。
この話、本当は最小の嘘で警察の目を逃れるイチローが描きたかったんじゃないでしょうか?初期のシリーズで桃井かおりがゲストの時、『嘘の上手い人は全てを嘘で塗り固めたりせず、肝心なところだけ、嘘をついて、後は本当の事を話す』ってくだりがありましたから。イチローが嘘を嫌うってキャラだったし。
実際は途中で完全に犯行がバレて、イチローのスタイルを古畑さんが崩せるか、っていう、なんだか実験的な話になってました。ちょっと緊張感がかけてしまったと思います。
ところでシリーズ通して古畑さんが負けた話ってあるんですかね?私、第二、第三シーズンってあんまり見てないんでそこんところ不明。基本的に殺人だから、犯人が逃げちゃうって話は無いのかな?
でも名探偵が出てくる話って、それをさらに上回る犯人が出てくると痛快です。私、シャーロック・ホームズでもボヘミアの醜聞(※1)が一番好きです。
イチローがあまりにカッコいいんで、ちょっと勝って欲しいなーって思いました。まぁ殺人じゃ、無理か。
残すは松嶋奈々子のみ。って双子ネタかよ!?
※1 ボヘミアの醜聞:コナン・ドイル著、シャーロック・ホームズシリーズの一編。常に女性を小馬鹿にしていたホームズが、一介の踊り子、アイリーン・アドラーに出し抜かれる話。彼女はホームズにとって特別な女性となる。
コメント 0