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『駿河城御前試合』その第7試合 [シグルイ]

古畑任三郎は録画してありますが、まだ見てません。ってことで今日も『駿河城御前試合』のストーリー解説。11の真剣勝負、第7試合です。

ネタバレですが、表現は大幅に脚色してあります。酔っ払いのおっさんの話くらいに捕らえてください。

第7試合 飛竜剣敗れたり

俺呼んで『ゴーカイさんの生き方、そして死に方』

黒江剛太郎(未来知新流)VS片岡京之介(二階堂流)

赤江剛蔵(のちの黒江剛太郎)さん気が大きいです。加賀藩に召抱えられた時、武芸師範・石黒さんに「おまえ、何?未来知心流?シラネー!ウケルー!」と馬鹿にされただけで、「こいついつかぶっころす」と誓いました。相手の実力も知らないのに。

ところが後々、石黒さんの実力がわかってくると、到底歯が立ちそうもないことが分かりました。石黒さんがブサイクなので、その憎しみは倍増です。「どうにかして、ぶっころして、やるゥゥゥゥゥゥ!」そんな思いを常に胸に秘める剛蔵さんです。

折りしも石黒さん(ブサイク)、城下で評判のべっぴんさん、球江ちゃんを狙っているとの噂が流れました。みんなおいおいあのブサイクがかよ、と思いましたが、石黒さん腕は確か。なかなか文句は言えません。

剛蔵さんがお世話になってる人のボン安之助クンも、しょんぼりです。そんな様子をみて、剛蔵さんの瞳がキラリ

剛蔵「安ちゃん(安之助)、どうしたん?元気ないじゃん」

安之助「あー、別にー」

剛蔵「・・・・・・球江ちゃん、可哀想だよね」

安之助「・・・ねぇ・・・」

剛蔵「石黒斬って奪っちゃえよ」

安之助「!無理だヨー、石黒、強いもん」

剛蔵「一人じゃ無理かもしれないけど、二人で掛かれば大丈夫だヨ。俺も手伝うからさー、やっちゃおーぜー

他の試合についてご存知の方ならおわかりでしょうが、南条範夫先生の描く剣士は、基本的に女優先です。安之助クンも、こんな適当な誘惑に負けて、石黒征伐に向います。安之助クン一人で戦うと見せかけ、暗闇から剛蔵さんが手裏剣を投てき、怯んだ隙に安之助クンが斬りつけるという、どうみても卑怯な作戦で、見事石黒さんはお陀仏。球江ちゃんは安之助クンのモノとなりました。

それからしばらくはよかったのですが、剛蔵さん、実は人妻萌えでした。なんだか急に球江ちゃんが気になる気になる。安之助クンに恩売って出世する予定だったけど、股間の大太刀がそれまで我慢できません。

一方元々気の小さい安之助クン。ただでさえ、いつか裏切って、自分が石黒さんを殺したことをチクるんじゃないか心配な剛蔵さんが、最近はなんだか妻と仲いい。心中穏やかじゃありません。

そうこうしているウチに剛蔵さん、球江ちゃんに、石黒さんを討ったのは、自分の力とほのめかしました。実は球江ちゃんは強い人が好き。安之助クンとくっついたのも、強い石黒さんをやっつけたと思っていたから。それが一人じゃ何にも出来ないチキン野郎と分かったら、その気持ち、揺らいじゃうのも分かるでしょ?

そんな、自分のとっておきのネタが、実は『伊東家の食卓』からパクったものだとばらされたような安之助クン、怒り心頭。剛蔵さんに食って掛かりましたが、はい、もちろん返り討ちに会いました。剛蔵さんは球江ちゃんを連れて逃げます。

場所は変わり、駿河藩。逃げてきた剛蔵さんは名前を黒江剛太郎に変え、未来知新流の町道場を開きました。

コイツは石黒さんをぶっ殺した時に考えた剣術。右手に太刀、左手に脇差を持つ二刀流。その奥義、飛竜剣は、まず相手に脇差を投げます。胸に刺さればそれでよし。外れても、怯んだその隙に、太刀で斬りかかるっていう、なんつーか、素人でも思いつきそうな戦法。これ、相手が先に攻めて来たらどうするんだろう?

そんなことは思わないのか、城下では剛太郎さん激強の噂が広がりました。ところがある日、そういうところにはつきもの批判が、剛太郎さんの耳に届きました。「でもさー、極めればやっぱ刀一本の方が強いよねー」

自信家の剛太郎さん、カチンと来ました。「ちょ!おま、今、何つった!」「ち、違うって。君のことじゃなくて、武蔵がさ、二階堂流の奴と戦わないで逃げたっていうじゃん」「あ~?だったら俺が、二階堂流ぶっ殺してやるよ!」

っつーわけで二階堂流の片岡京之介さんと、御前試合で戦うこととなりました。京之介さん、ものすごいとばっちりです。

そもそも京之介さんの二階堂流は待ちの剣。開祖が優男で「お前の剣じゃ蜘蛛の糸も切れねーよ」って言われて、やってみたらほんとに切れなくって、それをヒントに奥義を編み出したという、なんともカッコ悪い逸話まであります。

ただ、その奥義垂れ糸の構えは、結構使えそうです。これは太刀風に舞う蜘蛛の糸のように、最小の動きで相手の太刀を避け、相手が打ちつかれたところを討つというもの。同じ待ちの剣でも、第2試合で座波間左衛門さんが用いた変態剣と違います。

それでも常に大口叩いて派手に振舞う剛太郎さんの、清原的カリスマで、前評判は剛太郎さん圧倒的優位でした。

さて、いざ試合。京之介さんは一つの決心をもって臨みました。剛太郎さんが必殺の飛竜剣を放ちます。左手から脇差!間髪いれず、右手の太刀で斬りかかる!ところが倒れたのは剛太郎さんのほうでした。

京之介さん、飛竜剣を凌ぐ為、最小の動きで避ける垂れ糸の構えも捨て、飛んでくる脇差をあえて肩で受けました。そうすることで怯むことなく次の攻撃に反応し、見事剛太郎さんを打ち破ったのでした。

試合結果 勝者・片岡京之介(負傷) 敗者・黒江剛太郎(死亡)


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