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『タイムリープ』少女の理想の少年 [本]

 

タイム・リープ―あしたはきのう

  • 作者: 高畑 京一郎
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 単行本

高畑京一郎って人の本。この人、第一回電撃ゲーム小説大賞金賞ってのを受賞して、作家デビューしたらしいです。私、その賞がどんなものかは知りませんが、言葉のイメージから受ける通り、少年向けのエンターテインメント小説です。

ストーリーは主人公の少女、翔香の意識のみが、ある日突然時間を飛び越えてしまう。それも何回も。はたして一体何が起こっているのか?って話です。

とてもよく練られたタイムトラベルものです。タイムトラベルってかなり使い尽くされたテーマ。セルフパロディっぽいところもあるので、『時を駆ける少女』と『バックトゥーザフューチャー』は見ていたほうが楽しめると思います。

先が気になる展開で、あっという間に読んでしまう面白さがありますが、この本、ポイントは翔香を助ける少年、若松和彦です。彼がまた人外のレベルで頭がいい。常に冷静沈着、タイムトラベルなんつーアホ臭い相談をしてくる翔香に対して、その時その時、最良のアドバイスを与えてくれる。読者でも訳がわからなくなってくる時間軸を、和彦だけは常に完璧に理解しています。

あー、でも彼、こういう事件の状況下だからこそモテるタイプだと思うヨ?私が『ハウル(※1)』観にいったとき、連れの女の子『アシタカは完璧すぎて嫌、ほっとけないハウルがいい(※2)』って言っていたし。平成のモテ王が吉岡秀隆(※3)であることからも、実際、大人の女はこういうタイプって付き合いづらいと思うヨ。少女抱く、憧れる少年のカタチ。そして付き合って『アナタといると疲れる』あるいは『私がなにも決められなくなってしまう』的なことを言って、別れればいいじゃん!

この本は1995年の作品ですが、翔香が和彦のためにお弁当を用意してくるあたりはもーなんつーか、昭和?昭和のなつかしーラブストーリーの匂いがいして、おっさん電車の中でニヤニヤしちゃいました。

だからその分、事件の核心に使われてる『記号』が嫌だったわ。この『記号』、文章に現実的な冷静さを与えているのかもしれないけど、私は基本的にこの『記号』を使う作品は、すべからく苦手。どうしても安易にショックを与えるものにしか見えない。まぁ好き嫌いだけどさ。

それはさておいても、結構おもしろい話でした。映画化もされてるみたいだけど、ネットの評価は真っ二つに分かれているなぁ。機会があったら観てみます。

※1 ハウル:宮崎駿の映画『ハウルの動く城』。詳しくは11月15日の記事を見てください。

※2 アシタカは完璧すぎて嫌、ほっとけないハウルがいい:アシタカは『もののけ姫』の主人公で強くて賢くカッコよく正しい男。これも11月15日の記事見てー!

※3 平成のモテ王が吉岡秀隆:『北の国から』シリーズで有名な吉岡秀隆のモテ遍歴は凄まじい。どれもダメ男の役なのに、必ずモテる。12月9日のALWAYSの記事参考。


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