『東京ゾンビ』ゆるゆるーっときて、すぃー。 [映画]
『東京ゾンビ』
原作:花くまゆうさく監督:佐藤佐吉 出演:浅野忠信、哀川翔他 atシネセゾン渋谷。
脱力系バカ映画かとおもったら、意外にまっとうに面白かったヨ!
この映画、花くまゆうさくっていう人の、ゆーるゆるマンガが原作です。めちゃくちゃ緊張感の無い、落書きみたいなマンガ。私は彼のマンガ、結構見てたけど、世の中でそんなにメジャーなのか?何故映画化されたんだ?
ストーリーは、前半はアフロのフジオ(浅野忠信)とハゲのミツオ(哀川翔)の仲良しコンビが、突然襲い掛かってくるゾンビからなーんとなく逃げたり戦ったりする話。後半はそれから数年後、ゾンビに支配された東京で、ピットファイターとして戦うフジオの話。基本的に『何で?』と思わないほうが楽しめます。
前半は花くまワールドをよく再現したゆるゆるで、心地よいです。ゆるゆるったって、ゾンビが出て、人ガンガン死んでるんだけどね。フジオとミツオが本当に仲良しコンビで、すごーくいい感じでした。
後半は意外にも、しんみり、すぃーと、ココロに沁みるものがありました。常に怒っているフジオの妻役の奥田恵梨華さんが結構良いです。ラスト、『私のこと好き?』って聞くところ、かなりカワイイ。そのため、めちゃくちゃな状況なのに、全く小市民的な幸せと不幸せが見えて、面白かったです。
私、浅野忠信って結構苦手だったのですが、これを見ていて彼の力の一つが分かった気がします。この人、どんな異常な状況でも、普通に見せるんだな。異常な状況を、常温まで温度下げてしまうんだ。そのせいで、前半は仲良しロードムービーになり、後半はしんみりすぃーなホームドラマの匂いがする。常に異常な状況なのに。この映画では、そこが面白かったです。でも、だから私が異常を求めた『乱歩地獄』(※1)では、すごく気に入らなかったんだろうなぁ。
※1 乱歩地獄:江戸川乱歩の原作4編を映画化した作品。私に酷評された。詳しくは11月9日の記事を見てください。
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