西條奈加『大川契り』そこそう掘り下げるか [本]
西條奈加『大川契り』
実は誰もが裏稼業を持つのに、何故か善人が集まると評判の善人長屋。唯一の本物の善人、加助が持ち込む事件に皆が振り回される…そしてある事件をきっかけに、お縫は母の壮絶な過去と父との出会いを知る…短編8編収録。
”善人長屋”シリーズ3作目。基本人情ものですが、西條奈加ゆえちょっと痛みも伴う。ひねくれた人間がひねくれたままに終わったり。それもまた味。 ただこれといって目新しさのない、マンネリ感があるのもまた確かです。
しかしラストエピソードでは、これまでに十分に描かれているキャラクターについて、時代と設定を鑑みればそりゃそういうこともあるだろうって過去をハッキリと描いて結構ショックでした。この辺のなー、こういう話ないと思うような下地をしいてからの西條奈加は油断できない。”千年鬼”の時に懲りたはずなのに。
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