『3月のライオン』第9巻 [漫画]
『3月のライオン』第9巻
進路に悩むひなた。それでも周りの人たちの気持ちを受けて、望むべき道を見つけることが出来た。一方将棋界では宗谷名人と土橋九段が名人戦を戦っていた…
”家族の第9巻”…流石にこれまで程冴えた言葉出てこなかったね、帯の人。まずはイジメの主犯、高城さんの話。これアニマルで先に読んでいたのですが、ものすごーく羽海野先生らしい着地点してますね。いるよね高城さん、どこにも。そしてそれを抱えて解消出来ないまま歳を重ねてしまった時の痛さ。”自分の大きさ”が解ったときに”何をしたらいいのか”が手遅れって気付いちゃう人ね。国分先生は居ないもんね。…きっと高城さん後々出てくると思うんだ。多分報いと救いを含んで。
土橋九段の話。終始何を映しているか分からない瞳の土橋九段。ひたすら深い暗い、そういうところだけを目指しているかのようにも思える。でもそうではない。どれほどの深みでも、そこには宗谷名人がいる。同じものを求めて共有することが出来る、孤独のはずの境地に、分かり合えるものがいる。この救い…素晴らしいですね。
予想通りますます”棋士”という特別な生き方に羽海野先生が没頭してしまっている感じ。だからこそ”没頭”の土橋九段、ちょっと呆れるほど華の無い存在を描いちゃうと思うのよさ。マンガ的には後藤や香子を描かないといけないと思うんだけれどね。
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