『3月のライオン』第8巻 [漫画]
『3月のライオン』第8巻
宗谷名人との記念対局で、かつて感じたことの無い時間を体験した零。そして嵐の招いた偶然から、宗谷名人の意外な真実を知ることとなる。棋匠戦。島田八段が挑むのは永世棋匠のかかる現役最年長棋士、柳原棋匠。その細い身体に絡みつくものは…
”ほうこう”か”さまよう”か”うろつく”か。”彷徨の第8巻”、この帯考えている人毎回全力だな。前半は零と宗谷名人の時間、後半は島田八段VS柳原棋匠。相変らず零の存在が稀薄になってしまうのですが、ここはやはり柳原棋匠イチオシで。
長年、永年戦い続ける。多くの仲間がその途中で離れて行く。彼らは全て、柳原棋匠に”思い”を”期待”を託します。自分が行けなかった所に行ってくれ。その姿を見せてくれ。ふと気がつく。自分の前にはもう誰も居ない。するとここは何処なんだ。誰も居ないこの場所が、彷徨の果てに行き着くところなのか。
だが。身体に絡みついた重い思いのたすきを、柳原棋匠は手放さない。それは絡みついて一つの場所に縛り付ける気持ちの澱であり、身にまとって吹き飛ばされそうな体を支えてくれる礎でもある。飄々とした老人が命を振り絞って足掻く様、その泥仕合こそ羽海野先生の描きたかったものと私は思うんだ。
しかし 柳原棋匠なんてキャラクターにここまで思い入れしちゃうから、後藤とか香子とか忘れちゃいそうなんだぜ。羽海野先生間違いなくDevoteするタイプだからなー。その辺のバランスは編集がとってやるんじゃね?
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