山田風太郎『伊賀忍法帖』結構弱いなオイ

山田風太郎『伊賀忍法帖』

伊賀忍法帖

• 作者: 山田 風太郎
• 出版社/メーカー: 富士見書房
• 発売日: 1990/01
• メディア: 文庫

伊賀忍者笛吹城太郎は最愛の妻・篝火と帰郷の途中、奇怪な根来の忍者僧に妻を奪われてしまう。根来忍者は松永弾正の邪恋の為、美しい女達を淫道に落としていた。復讐を誓った城太郎は七人の怪僧に挑む！

山プー先生らしい荒唐無稽な忍術とドエロが乱れ飛ぶ話です。以前”くの一忍法帖”を読みましたが、エロはこっちのほうが強烈。

根来忍者が女達の愛液を集めている設定で、それがまたビューッと噴くレベルで出るもんだから。挿絵がない本作、頭に浮かぶ根来忍者の顔がどうしても鷹さんになっちゃいますよ。しわしわ。色黒。

なんてことはさておき、話自体は焦点がぼやけてます。城太郎と７人の忍者の対決がメインなのかと思ったら実はそうではない。それぞれの戦闘シーン自体は凄く短いです。城太郎の腕が大した事無い為、ほとんどが不意打ちだし。

根来忍者は首すげ替えなんてもうなんでもありの忍術も使うくせに、やられるときは結構あっけなくって拍子抜けです。

悪女漁火の思惑、松永弾正の野望、右京太夫の存在なんかがそれぞれ中途半端に語られて、結局何が描きたいのやら。最初の設定が割かしいい加減に扱われていくのも混乱を招く要因です。

真田広之主演で映画版があるみたい。みてー。

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