赤木かん子編『SFセレクション4科学者たちの陰謀』 [本]
児童向けSF短編集。テーマは”科学者”
赤木かん子編『SFセレクション4科学者たちの陰謀』
変な科学者 福島正美作
いわゆるSFに出てくる科学者の解説文。導入です。
あなたのエラサはなんポッチ? 大海赫(おおうみあかし)作
森の中に突然現れた珍妙な”エラサをはかる装置”に振り回される動物達。まったくくだらないようでどこか怖さが姿を潜める不思議な話です。
クローカ博士の発明 エルサ・ベスコフ作
手がつけられない不良を更生させる機械を発明する博士。どこか牧歌的でぽよぽよした話です。
バックネットの青い影 手塚治虫作
ライバル投手が不思議な薬のおかげで成功を収めていることを知った男は……
成功する未来のビジョンを示す薬。誰もが求めるそれに、全く皮肉な運命を迎える男。SFならではのオチがおもしろい。
人工宇宙の恐怖 E・ハミルトン作
友人が作り出した宇宙のミニチュアは、まるで本物の宇宙のように生物が生息していた。そして友人はあたかも神のようにその命を悪戯にもてあそぶ……
”世界が誰かの実験場だったら”…残酷な神…運命の比喩ではなく、実際に残酷な神が登場する物語。これだけの発想をよくもまあ短編で終わらせたもんだ。
究極触媒 ジョン・テイン
アマゾンで孤立した独裁者たちは、今は手に入らない肉を求めていた。そこに目をつけた科学者は……
一見独裁者を倒す正義の科学者に見え、その結末を見ればまっことに奇怪な、まさにマッドサイエンティストの仕業。映像でこそ栄えそうな作品です。
以上6編。オーバーテクノロジーに対して牧歌的な味付けもあれば恐怖を与えるのもあり。描き方次第ですね。
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