西尾維新『零崎軋識の人間ノック』これでいい。 [本]
西尾維新『零崎軋識の人間ノック』
殺人鬼集団零崎。そのエース、釘バットを得物とする零崎軋識と超人的な能力を有する連中とのバトル小説です。
自分で書いといてなんですがバトル小説ってなんだ。作者の人気作『戯言シリーズ』中のキャラクター・零崎一賊のスピンオフ作品。アニメチックなキャラクターがアニメチックなバトルをするだけの話です。ストーリーなんてどうでもいい。
一応主人公のはずの零崎軋識の立ち位置が面白いです。前評判だとすっごく強いのに、実際は負けまくり。ぽこんぽこん、よく負ける子だわ。そしてそのたんびに言い訳。作中自分でも突っ込んでるので意図的と思われます。この作者、自分のキャラの好き嫌いがめちゃくちゃハッキリしてますね。バキ(※1)の板垣先生みたい。好きなキャラは後付けでどんどん強くなるけど、そうでもないキャラは出たときの勢いを急激に削がれちゃう。
奇形的なまでにデフォルメされたキャラクターと、徹頭徹尾アニメな展開、意味不明に垂れ流される言葉遊びの数々。どこからどう切り出しても完全完璧完膚なきまでにファン向けで、一見さんお断りの内容。
でもこの作者はこれでいいと思います。変に欲だして『ニンギョウがニンギョウ』みたいなの書かれると逆に腹立つ。
そういった限定作品だから仕方ないのかもしれませんが、どうでもいいカードのおまけはいらないです。もう少し安くしてください。こういうのがついていてうれしいって心理、わっかんねーな。
あっという間に読めてすぐに忘れ二度と手に取らない。そんな感じです。好きだけど。
※1 バキ:少年チャンピオンの連載されている(現在は範馬刃牙)格闘漫画。作者板垣恵介。バキだと作者に愛されているのが花山薫、愛されていないのは天内悠あたりか?
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