氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク3〈人妻編〉』成長、その寂しいもの [本]
あ……ありのまま起こったことを書くぜ!
「おれは2巻の続きを読みたくて3巻を読んだら、2巻の続きじゃなかった」
な…何を言ってるかわからねーと思うが、おれも何が起こっているのかわからなかった…
氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク3〈人妻編〉』
かつては何かとお騒がせだった瑠璃姫も、いまでは人の妻。すっかり物腰も柔らかくなり、男女の機微や身分の難しさもわきまえるように。でもそんな姫にまたしても忍び寄る影。そう、人妻だからこそのあの影が……
えー、感想に入る前に。冒頭に書いたように、これ2巻の続きじゃない!!話的には2巻→『ジャパネスク・アンコール』→『続ジャパネスク・アンコール』→3巻、らしいです。
読み始めたらなんだか姫は妙に大人びてるし、問題になる男との出会いはおろか回想さえ描かれない話で首をかしげることしかり。2巻のラストであれだけ情緒的だった姫が、ゲェー!!普通に結婚してる!!おまけに人物紹介で思いっきりネタバレしていたので「何だこりゃ!」って息巻いていたのですが、これはそれを前提とした上で、腹に一物抱えた登場人物たちのやりとりを楽しむってことか。
1巻はラブコメ、2巻はサスペンスとテイストを変えてきたこの作品。3巻はラブロマンスか?しかしこの巻ではその芽生えだけなので正直なーんの事件も起こらないし、テンポも緩慢です。最初のほうなど母上の小言にうんざりしている姫が延々描かれて、読んでるほうまでうんざりですよ。渡鬼(※1)みたいな話でしたよ。
中盤の逢瀬のあたりはかなりドキドキでよかったんですけどね。
それにしても驚いたのは瑠璃姫がすっかり大人になっちゃったっつーか、色々身に付けちゃってるんですよ、駆け引きとかを。あんだけ活発だった姫のこういう姿、劇中でも散々言われるように、やっぱり寂しい。これまでの瑠璃姫だったら即ブチ切れてるようなことまで「わかるわー」みたいな感じになっちゃって。
どうも作者の氷室先生もここまで続くと思ってなかったらしく、この巻はスカスカで見所もありません、残念ながら。まぁ次回に期待します。
……しつこいかと思いますが、これから読む人は2巻の次に3巻読んじゃダメ。ってゆーか……なんでこんなタイトルつけたんだよ!誰だって2巻の次が3巻だと思うだろ!そして誰か教えてくれよ!!
※1 渡鬼:当然「渡る世間は鬼ばかり」のこと。役者に問題があるとどんな重要人物でも不自然に消える、凄いドラマ。
記事が気に入った方はココをクリックしてください。ランキングされます。
人妻編...確かにテンポ悪いし長いですよねえ。
でも私はラストは好きですよ!
by ゆん (2006-10-26 21:01)
>ゆんさんいつもどうもです。
人妻編のラストの前にアンコールを読むつもりなのでしばらくかかりそうです。まだ3巻なのにすっかり大人になった瑠璃姫が心配。終わる頃にはピン子みたいなキャラだったらどうしよう。
by けんたろう (2006-10-27 00:51)
そうですね、アンコールを先に読んだ方がいいかもしれないですね(笑)。私も最後に読んだのがかなり昔なので、よく覚えていませんが、確か2巻の続きっぽい吉野での話とかもありましたよ。
瑠璃姫も最後の最後はピン子にならずに、ちょっとがんばっていったような?私もまた読みたくなりました...。でも全部実家。
by ゆん (2006-10-27 22:04)
>ゆんさん
そして早速アンコール読み始めました。ちなみに私は全部図書館。アンコールは高彬の主観でした。主観になると高彬、凄い子供でびっくりです。まだ始めたばかりですが、終わったらまたレビューします。
by けんたろう (2006-10-29 00:06)