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『日本怪奇幻想紀行・一之巻 妖怪/百鬼巡り』 [本]

この手の記事はとことん人気無いんですけど妖怪押しで。

『日本怪奇幻想紀行・一之巻 妖怪/百鬼巡り』

日本怪奇幻想紀行 (1之巻)

日本怪奇幻想紀行 (1之巻)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 同朋舎
  • 発売日: 2000/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

何人かの作家がテーマに沿い、それぞれ日本各地に伝わる妖怪、鬼、天狗、化け物等の足跡をたどったフィールドワークを集めた本。民俗学的な視点なんですかね、よく知らないけど。

本編で取り上げられるテーマは1.鬼、2.河童、3.妖怪のミイラ(野山)、4.人魚、5.天狗、6.狸、7.妖怪のミイラ(水)、8.キジムナー、9.件、の全9章。有名どころに時々マイナーが挿入。

実際お寺なんか、鬼や河童にまつわるものが納められているところがゴマンとあるようです。そういったものの写真も多数収録さえていますが無論胡散臭い。ただしそんなへっぽこなものも、視点を変えれば非常に恐ろしく見えることがあります。

本文中に出てくる、水木しげる先生の話。先生は見世物小屋等で取り上げられる妖怪のミイラ、それが作り物であることは当然なのですが、その材料が小児ではないかと思います。さらに新鮮な死体でなければこうは精巧に作れるとは思えず、となればミイラにすることを目的に、小児をさらう者がいるのではないか。そう思い至り戦慄する、と。

この視点。さすが水木先生と言わざるを得ません。

他にも狸のエピソードが結構面白い。狸合戦ってものすごい任侠モノの世界なんですね。

例えば阿波狸合戦。金長という狸が大親分の六右衛門狸に気に入られます。六右衛門は自分の娘を嫁にと薦めますが、金長はこれを断る。実は金長には恩になった人物があり、それに報いるために地元を離れるわけにはいかなかったのです。ところがこの返事を六右衛門は金長がいつか自分を倒し親分になるものと誤解し、金長暗殺を試みます。ここで金長に思いを寄せていた六右衛門の娘の忠告があり、金長は難を逃れる。そこから大合戦が始まるという流れ。

なかなか壮大。別の狸話では『稲生物怪録』の主人公も出てきます。『銀魂』(※1)が好きな人ならピンと来るのではないでしょうか。単行本2巻に収録されている『しろくろ』に出てくる山(ン)本五郎左衛門が出てくる話です。ちなみに『稲生物怪録』の主人公は山本五郎左衛門から木槌を貰うそうです。『しろくろ』の主人公がバットを振るうのも、そこまで調べた上だったりしたら結構すごいですね。

と。このように想像で勝手に話をいくらでも広げられるのが妖怪譚の面白いところ。誰かハマってくれよぅ。一緒に妖怪探しに行こうぜ。

本編で取り上げられてる妖怪の中で私が一番好きなのは件(くだん)。人頭牛身、未来を予言しわずか数日しか生きないといわれる妖怪です。

※1 銀魂:ぎんたまと読みます。少年ジャンプに連載中の漫画。結構ギリギリで面白いです。

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