『時をかける少女』小説&コミック版 [本]
ハチクロ終わってるやん!つか結局コーラス買ってる!もう三十路間近なのに!
それはさておき今年イチオシの映画(遅い)『時をかける少女』。アホなおっさんなので原作小説(新装版)とコミックまで買ってやんの。
表題作以下短編三本収録。つかね、もう表紙が映画版キャラデザの貞本義行で、それが欲しかっただけ。
時をかける少女:中学三年生の芳山和子は理科実験室でラベンダーのかおりを嗅いで意識を失っていらい、時間と場所を移動する、不思議な能力を身に付けてしまいます。でも和子にとってこんな能力疎ましいだけ。発端となった土曜日の実験室に戻り、能力の原因を突き止めようとしますが……
1965年に書かれた児童文学で、今見ればさすがに古臭いし、表現技法も子供向け。和子も真琴のように思春期をこじらせたりはしないし。ただどこか余韻のあるラストに、この後この作品が何度も映像化されて愛された理由があるんだと思いました。
正直この和子が魔女おばさんになるかはちょっと微妙。
悪夢の真相:人は皆、それぞれ怖いものがあります。昌子は何故か高いところと般若の面が怖い。でもそこにはなにかしら理由があって。その原因を突き止めることで恐怖をなくすことができるのでは。そう思った昌子は、次第に自分の失われた記憶に迫ります……
面白いです。トラウマを解決する話ですね。もちろん表現は古臭いのですが、謎のキーワードがおどろおどろしく、ちょっとしたホラーテイストでぞくぞくしました。
果てしなき多元宇宙:この世界は幾つもの糸が寄り合った布のようなもの。隣の糸には私とよく似た私がいます。暢子の同時存在・ノブが起こした事故がきっかけで平行世界に存在していた数多くの暢子たちが、今までいた世界とは違う世界に飛ばされてしまいました。そこは同じようで少しだけ違う世界で……
今でこそよく聞く『平行世界』の考え方、描くのに苦労しているカンジ。まぁ毒にも薬にもならないコメディです。
こっちはコミック版。ストーリーはアニメ映画版を短縮したような話。絵はかわいいのですがどうにも分量が少なく、そのためエピソードも少しずつ変わっています。そうするとどうしても魅力が落ちてしまい、結果映画に遠く及ばない出来でした。
うーん、いろいろと難しいんでしょうが、漫画を見る人は映画で描かれていないところを期待していたと思うんですよ。未来のビジョンとか、千昭と功介の関係とか。そういうのもぜんぜん無いのでなんだかガッカリ。キャラクターたちも映画ほど魅力的じゃないです。まぁしょうがないのかなぁ。
っつーわけで。小説、コミックともハッキリ言って映画ほど面白くはないです。ただ原作は知っているとまた違った視点で映画が楽しめるとは思います。欲張りなことを言えば魔女おばさんを踏まえて原作を多少いじり、それをアニメで見たいよ。
好きなんですよ、魔女おばさん。
記事が気に入った方はここをクリックしてください。ランキングされます。
コメント 0