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『かもめ食堂』幸福な大したこと無い夢 [映画]

小林聡美フリークですね、私。『かもめ食堂』。本じゃなくて映画のほうです。

かもめ食堂

かもめ食堂

  • 作者: 群 ようこ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

監督・脚本:荻上直子 原作:群ようこ 出演:小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ他 atシネプレックス幕張

私的満足度:★★★☆(3.5)

群ようこさんの小説の映画化作品。原作は未読です。で。面白かったです。オープニング、ガッチャマンの歌詞についてから始まるので、その手のマヌケ会話の応酬なのかと思いましたがそうではありませんでした。

フィンランドのヘルシンキで何故か日本食を出す『かもめ食堂』を営んでいるサチエ(小林聡美)。そこにゆっくり集まってくるミドリ(片桐はいり)マサコ(もたいまさこ)。そして街の住人たち。何にも起こらない日常が描かれる映画でした。

本当に何にも起こりませんし、それどころか登場人物についてほとんど何も描かれません。フィンランドで食堂って、無茶苦茶な非日常のはずなのですが、日常にしか見えません。サチエに関してはその行動の理由はおろか、感情の変化もクローズアップはされません。諦観に近いほどに、全てを受け入れていきます

でもそれが凄く心地よいです。行動を起こし、感情を吐露し、事情を打ち明け、理由を説明することでドラマチックな物語が描かれるとは思いますが、時にそうでないものも見たくなります。この映画はまさに、そういう時のための映画です。

ただし寂しさ、侘しさがあるわけではありません。サチエにはなんだかどこか影もありますが、それはふわふわした黄色い影です。

映画としては弱いのは確か。でも例えば疲れた夜中、ふっとTVをつけたとき、かもめ食堂の日常が映っていたら嬉しい気がします。

世界最後の日の夜は酒池肉林の夢もいいけど、こんな食堂の夢も悪くないかもしれません。

ちなみに私が今まで見た映画の中で、多分一番カメラが動かない映画でした。効果を狙ってはいるんだろうけど、ここまで動かないと衝撃的でさえあります。

ランキン願マス。


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