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『サイレン』弱い!弱いよ、レオ! [映画]

前提として、私は臆病です。基本的にホラー映画をまともに観たことありません。怖いから。じゃーなんでこれを観に行ったかっていうと、あんまり怖くないって言う評判を聞いたから。あんまり怖くないホラーを観る。この矛盾。女の子と違う、男の子って。好きと嫌いだけじゃない、と。

『サイレン』

監督・堤幸彦 出演・市川由衣 atシネプレックス幕張

私的満足度:★★★☆(3.5)

弟の転地療養の為、夜美島にやってきた由貴(市川由衣)たち家族。しかし島は異様な文化が成り立ち、住民たちは由貴に奇異の目を向けます。そして由貴は、隣家の女性から、奇妙な忠告を受けます。『サイレンが鳴ったら、外に出てはならない』。ところが、父(森本レオ)が出かけた夜にサイレンが鳴り響き、そしてまま行方不明になってしまうのでした・・・

今回はネタバレまみれ。オチまでがっつり書くので、ご了承の上、続きを読んでください。

噂どおり、怖くなかったのです。ホラーとしてはどうかと思います。でも映画としては面白かったです。

サイレン=セイレーン、つまり人魚で、夜美島には人魚伝説がありました。その昔、疫病患者の隔離地とされた島の住民が、不老不死の力を持つ人魚をよってたかって食い殺したという伝説です。

さらに29年前にもサイレンが鳴り響き、一人を残して島中の住民が消失する事件がありました。

そういう怪異な噂を市川由衣がすげーすんなり受け入れるので、おいおいと思いました。映画を観ている側が怪しいと思うのは分かるんだけど、劇中人物がそう考えたらちょっと危ない人のレベルです。

また、市川、ゾンビのような謎の怪物に結構頻繁に襲われるのですが、かなり簡単に逃げ切ります。そこでも失笑。ところがどっこい、コイツは実は、作り手の思うがままでした。こう思った時点で罠に嵌っているのは私のほうでした。まぁ詳細は後述。

んで中盤。ゾンビと化した森本レオ(設定はゾンビじゃないみたいだけど、演技はどうみてもゾンビ)が襲ってくるのですが、考えてみてください。怖いか?森本ゾンビ。癒し系?で、案の上、怖くも無ければ強くも無い。へろへろへろへろ暴れて、やられてました。誰だ、森本レオをゾンビにしようって言った奴。

つーか、この映画に出てくるゾンビって、弱いんですよ。へろへろしているだけで、劇中被害者は1~2人だったはず。対して市川由衣はやたら走り回っていて、タフなんですよ。クライマックスなんて、弟を背負ったまま鉄塔のはしごを登って、そこからさらに市川キックで松尾スズキ蹴落としてましたからね。

そして3度目のサイレンが鳴った時、とうとう明かされる驚愕の真実。なんと!事件は全て、弟を失ったことで精神が不安定になった市川の妄想でした!ゲェー!

市川の弟は半年前に病気で死んでいて、それを救えなかったことから心を病んだ市川の療養のためにこの島に来たと。そういやなんでこんな医療設備の整っていない島に療養に来たんだよ!って思ってました。

つまり、劇中の視点は全て市川の一人称の視点で、市川が作った物語だから、そりゃすんなり受け入れると。で、当然、襲われたってやられない。当たりまえ。本当は誰も襲ってきていないんだから。冒頭で、島民が市川に奇異の目を向けるのも、存在しない弟をいると思い込んで振舞う市川へ向けられたものだった、と。

実は29年前の事件も、同じような心を病んだ男による島民虐殺事件が真相でした。市川はその男にインスパイアされて、妄想を膨らましたようです。

その後、現実を受け入れられなくなった市川は鉄塔から落下してしまいます。

が!ここからもう一つオチがあるのですが。

市川は、奇跡的に一命を取り留めました。その耳に、再びサイレンが聞こえてきます。29年前の男も、4度目のサイレンが鳴り響いた時、虐殺を開始したのです。その事実に気付いた医師の後ろに、メスを持った市川が忍び寄るのでした・・・

ってまぁ、ラストで驚愕だったのは、10mくらいの鉄塔から落ちて、殆ど無傷だった市川。つまり、本当にタフだったと。

これ、もとはPSのゲームらしいけど、絶対こんなオチじゃないと思います。ゲームが好きな人は微妙かも。でもホント、あんまし怖くないし、見終わった後つっこめるところが多いので、カップルで観に行くのに向いた映画だと思います。チェキラッチョ。


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books-enjoy

はじめまして。
あまりにタフな市川さんの話に爆笑してしまいました。
市川キック、私も見てみたいです♪
by books-enjoy (2006-02-19 07:14) 

けんたろう

>きぬさんいらっしゃいませです。
ちなみに映画館では、予告編で『ケンシロウの阿部寛』、
『トリックの阿部寛』、本編で『よだれをたらす阿部寛』と、
実に様々な阿部寛が楽しめました。
出番少ないけど。
by けんたろう (2006-02-19 10:20) 

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