江戸川乱歩『人間豹』極彩色の毒薬たち [本]
江戸川乱歩『人間豹』
- 作者: 江戸川 乱歩
- 出版社/メーカー: 春陽堂書店
- 発売日: 1987/10
- メディア: 文庫
乱歩作品は駄菓子に例えられることがままあります。極彩色の、どう見ても体に良くなさそうな彩り。でも食べてみたい。これは特にそんな印象が強い作品。
つじつまとかそっちのけで、とにかく出てくる事件がドぎつくて魅力的。獣人に蹂躙される美女、劇場を埋め尽くした笑い仮面、聴衆の面前で繰り広げられる虎と美女の戦い等々……
犯人人間豹がもうポテンシャルが人間離れしすぎで、捕まっても超簡単に逃げてきちゃうので話にならないし、これまた人間離れした推理力を誇る明智との裏のかきあいもやりすぎ感は否めません。
でも面白い。ものすごく面白いです。乱歩自身もそうとうノリノリで書いているようで、囚われた明智をあおる文章などかなりイカしています。以下に引用。
明智小五郎よ。今こそきみの力をためす絶好の機会なのだ。そうして、うちのめされて、きみの魂がこの世のほかのくらやみをさまよっている今こそ、きみの超人的精神力、魔術的機知を、根こそぎ動員しなけらばならないのだ。
燃えるでしょう。すっごく、映像化して欲しい作品です。エロシーンもかなり魅力的です。
記事が気に入った方はココをクリックしてください。ランキングされます。
コメント 0